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第53回日本防菌防黴学会年次大会でパネルディスカッションのコーディネーターを担当、一般研究発表(口頭)とポスター発表を実施

令和9年9月8日(火)~9日(水)に品川区立総合区民会館・きゅりあんで開催された「第53回日本防菌防黴学会年次大会」において、パネルディスカッションのコーディネーターを担当し、一般研究発表(口頭)とポスター発表を行いました。

パネルディスカッション 「高齢者施設等における感染対策の現状と課題解決に向けて」

学会として注目している高齢者施設の感染対策について、感染症、施設の空調、水質、感染管理の方法等の多角的な視点から、現状と課題について議論しました。
高齢者は感染が発症した時の重篤化リスクが高い事、高齢者施設の管理や換気に関する基準が不十分である事を踏まえて、活発な意見交換が行われました。

一般研究発表(口頭) 「短時間作用における各種製剤のネコカリシウイルス不活化効果」

ポスター発表     「エタノール製剤の反応時間と有機汚れの有無による殺菌効力への影響」

 

世界保健機関(WHO)は、手指衛生において速乾性擦式手指消毒薬を用いる場合、20〜30秒間、作用させることを推奨されています[1]。多くのウイルス不活化試験や殺菌効力試験は、30秒間の作用時間による結果が、報告されています。しかし、実際の医療現場や日常生活の実使用環境では、消毒剤の作用時間はこれよりも短い傾向にあり、さらに、手指に有機物(汚れ)が付着しているケースも少なくありません。そこで、5秒や10秒の短い作用時間、および有機物の添加による各消毒剤、アルコール製剤に対するネコカリシウイルス不活化効果と殺菌効果を検証し以下の発表(2題)を行いました。

「短時間作用における各種製剤のネコカリシウイルス不活化効果」

消毒用エタノール、エタノール製剤、次亜塩素酸ナトリウム、ペルオキソ一硫酸水素ナトリウム製剤、加速化過酸化水素、過酸化水素、塩化ベンザルコニウムによる比較を行いました。

有機物が添加され、また、5秒のような反応時間では、加速化過酸化水素とペルオキソ一硫酸水素ナトリウム製剤が優れた効果を示すことが明らかとなりました。

 

「エタノール製剤の反応時間と有機汚れの有無による殺菌効力への影響」

75 vol%エタノールは条件に関わらず高い殺菌効果を示しました。一方、50 vol%エタノールは短い反応時間や有機物汚れにより、殺菌効果が低下する傾向が見られました。また、菌種による殺菌効果の差が認められました。50~60 vol%のエタノール製剤は、適切な添加物を配合することで、75 vol%エタノールと同等の高い殺菌効果を発揮することが明らかとなりました。

 

本学会での活動を通じて、高齢者施設における感染対策の課題や、実使用環境を考慮した消毒剤評価の重要性について情報発信を行いました。

 

〔参考文献1〕WHO: WHO guidelines on hand hygiene in health care: a summary, p. 13 (2009)