News 最新情報・ニュースリリース

セミナー・展示会

日本防菌防黴学会第51回年次大会でポスター発表実施

令和6年917日(火)~18日(水)にタワーホール船堀で開催された「日本防菌防黴学会第51回年次大会」でポスター発表を2題行いました。

 

演題名「薬用石けんの反応時間と殺菌効力の関係」

 手指の洗浄は、約30秒間行うことが推奨されているため、研究の多くは3060秒で評価されています。しかしながら、実際の手洗いの所要時間は、10秒程度と短く、これらの研究結果は実使用に則していません。そこで、530秒の反応時間での除菌効果の評価、また、手指に汚れが存在する場合を想定して有機汚れを添加した評価も行いました。

その結果、有機汚れにより除菌効果が低下するために5秒や10秒の短い作用時間では十分な除菌効果が得られず、作用時間は20秒以上必要であることが分かりました。薬用石けんの除菌効果を十分に発揮するには20秒以上、さらに、手洗いの個人差などを考慮すると30秒の洗浄時間が必要であることが分かりました。
演題名「過酸化水素製剤の抗微生物活性評価」

 医療施設や食品工場等の水回りに発生するバイオフィルムは、抗菌効果のある薬剤を日常的に使用した場合、微生物の薬剤に対する耐性化により制御を困難にする懸念があります。過酸化水素製剤(HP製剤)は、過酸化水素に洗浄成分、溶剤等を添加することで、除菌性能を高めた製剤です。今回の研究においてHP製剤は、細菌・酵母・カビ等の幅広い微生物に対して、過酸化水素の増殖抑制効果が高められると共に、継続使用時の耐性化(増殖抑制効果の減弱)を抑制することが確認されました。このことから、HP製剤は、多様な微生物が存在する排水溝等の水回りのバイオフィルム形成抑制剤としての用途が期待されます。