ハードフロア管理の新システム「サスティナ ソリッドシール」

シーバイエスは液体などによる塗膜の汚染によるダメージに着目し、抜群に優れた液体耐性を発揮する新技術を開発することで、将来にわたって剥離作業をしない、環境に配慮した床維持剤「サスティナ ソリッドシール」を開発しました。

はじめに

シーバイエスでは2017年に“床清掃を劇的に楽にするフロアシール剤”として「サスティナ ソリッドシール」(以下、ソリッドシール)を発売いたしました。

従来からのワックスによる床の管理は、塗って光らせる、あるいは光沢を長持ちさせるといった見た目の性能に注目していました。そこで当社は液体などによる塗膜の汚染によるダメージに着目し、抜群に優れた液体耐性を発揮する新技術を開発することで、将来にわたって剥離作業をしない、環境に配慮した床維持剤を開発いたしました。

2019年には第二弾として「サスティナ ソリッドシールトラフィック」(以下、ソリッドシールトラフィック)を発売いたしました。初代の液体耐性はそのままに歩行量の多い現場向けに、さらに耐ヒールマーク性をプラスしました。これにより病院や介護施設だけでなく、スーパーや駅ビルなどへ導入が拡大しております。

また昨今の新型コロナウイルス感染症の大流行に伴い、見渡せば至るところにアルコールが設置されており、その下のワックス部を見ると、アルコールにより白化した跡が模様のように点在しているのを見かけます。まさに今、ソリッドシールはお客様や現場から求められているものだと確信しております。そこで今回は、あらためてフロアシール剤とは何かについて触れ、第二弾となるソリッドシールトラフィックをご紹介させていただき、最後にソリッドシールが掲げる目標と今後の展望について記載いたします。

フロアシール剤はワックスやコーティングと何が違うのか

ソリッドシールは、コーティングによる清掃コストの低減効果と、樹脂ワックスの扱いやすさを併せ持つ“第三の床維持剤”ともいうべきフロアシール剤で、ソリッド(緻密)かつ強靭な塗膜により、汚れや薬液をシール (封止)します。

ワックスは、作業しやすく、失敗しても剥離して補修ができるというメンテナンスの簡便さを持っていますが、耐久性が限定的であり、剥離汚水が産業廃棄物となる環境面での課題もございます。コーティングはキズや汚れが付きにくく長期にわたり美観を維持しますが、専門的な施工技術が必要であり、修復も困難でかつ価格も高いなどから、普及は限定的です。

当社のフロアシール剤ソリッドシールは、ワックスと同じような管理方法で、かつ歩行耐性と液体耐性に格段に優れた性能を発揮します。また塗膜が黄変しにくい設計から長期にわたり美観を維持することが可能です。

ソリッドシールのメカニズム

一般的なワックスはポリマー粒子間にすき間があるため、液体が滴下すると皮膜内部に浸透し、連続皮膜が破壊されます。一方ソリッドシールは、ポリマー粒子間に極小の架橋剤がすき間なく充填されており、液体が滴下しても塗膜内部に浸透しにくい設計となっております。浸透しにくいという点ではアルコール滴下による皮膜の白化を抑制するだけでなく、油汚れの黒ずみや、トイレの飛び散り尿による臭気を抑制することもできます。

第二弾「ソリッドシールトラフィック」とは

スーパーや駅ビルなど歩行量の多い現場ではヒールマークやスカッフマークという課題がございます。ソリッドシールも経時とともにヒールマークが目立つようになってきたというお客様からのご意見をもとに開発されたのがソリッドシールトラフィックです。

極小のポリマー粒子をさらに高配合し、超緻密な塗膜を作ることで液体の浸透を抑制します。また密着性や初期から色が無く黄変しにくい特性、作業のしやすさや条件によっては手直しが可能な点は従来のソリッドシールと同様です。また今回新開発の「無黄変エラスティックポリマー」を採用しており、抜群の衝撃反発力を実現します。歩行により凹みができても元に

戻る、汚れが塗膜表面に浮き立つので、ヒールマークが付きにくく、取れやすい効果がございます。

導入事例(お客様の声)

①某駅ビル…駅改札からすぐの入口にソリッドシールを施工していたが、ヒールマークが付き、除去するのが大変で従業員の負担になっていた。ソリッドシールトラフィックを施工したところ、ヒールマークが付きにくく、付いても簡単に取れるので、従業員の負担が劇的に改善された。

②某病院…新型コロナウイルスが流行し、アルコールの使用量が増えたため、ワックス面で白化しているところが増えた。ソリッドシールトラフィック塗装面は全く問題なく、きれいな状態を維持できている。

ツールとの最適な組み合わせ

ソリッドシールも万能ではありませんので、ごく表層に付着した汚れは適切に除去していかなければなりません。1回の拭き取りで99%のバクテリアを除去するマイクロファイバーダンプモップや塗膜表面を均一に研磨、洗浄できるTASKIツイスターパッドなどを活用することで日常清掃や定期清掃を効率よく実施することができ(省力化)、長期にわたって清潔感のある床を維持することができます。

SDGsへの貢献

シーバイエスでは「きれい、安全、安心にすごせる社会」を実現するために、SDGsの掲げるゴールに賛同し、貢献したいと考えております。ソリッドシールはまさにこのゴールに合致していると言えます。具体的には下記のSDGsゴールに貢献しています。

時代は“ニューノーマル”と言われ、アルコールの設置が当たり前になった今、液体耐性をもつソリッドシールがお客様の課題を解決いたします。またワックスのような扱いやすさとコーティングのようなコスト低減効果を併せ持つことで従来の清掃作業を効率化し、管理方法を順守することで剥離作業が不要になるという点では「第三の床維持剤」として、ハードフロア管理の新たなシステムになると言えます。

出典:月刊ビルクリーニング2021年4月号

関連情報

ソリッドシールおよびソリッドシールトラフィックの技術である「液体汚れをシャットアウトする水性床維持剤」(特許第6592469号)が令和2年度関東地方発明表彰で「発明奨励賞」を受賞しました。本表彰では技術面だけでなく、発明等がもたらした実施効果なども審査されます。
※ 地方発明表彰とは公益社団法人発明協会が主催する表彰事業です。大正10年より開始した大変歴史のある賞であり、各地方における発明の奨励・育成を図り、科学技術の向上と地域産業の振興に寄与することを目的とされています。